2016-06-28から1日間の記事一覧
―――小枝子のすすり泣きが聞こえた。死後の世界に、一緒に来れたのだろうか。 私は目を開け、身体を起こした。そこは、駅のホームのベンチだった。駅員さんがおろおろしながら小枝子を慰めている。 「お嬢さんたち、何があったんだかあたしにはさっぱり分から…
仄暗い百合。大正時代の女学生さんをイメージして書きました。ついさっき書き上げた、できたてほやほやの作品なので、もちろん時代考証は一切しておりません。それでもよければどうぞ。 ************ やたらと明るい夜だ。ガス灯などないこの田舎の道でも、…