どこまでも歩けるはずなんだ

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懇切丁寧さと「行けば分かる」感の絶妙なミックス-小野美由紀『人生に疲れたらスペイン巡礼 飲み、食べ、歩く800キロの旅』感想

 こんにちは。

 前回の記事(旅で学ぶのは若者だけなのか?-石井桃子『石井桃子コレクションⅣ 児童文学の旅』感想 - どこまでも歩けるはずなんだ)をきっかけに、突如として旅本(旅行エッセイだけでなく、小説やガイドブックも含む)を読み返したくなりました。今週は、旅本をずっと読んでいようかな。

 私自身は、物心ついた時からインドア派、というか引きこもり派で、あまり自発的にお出かけはしません。大学生=旅、という固定観念が捨てきれず、大学4年になってから近場をプラプラすることが増えましたが、本来は、ゴールデンウィークくらいの休暇なら一度も外に出ないです。自宅最高だぜウェイ。

 でも、旅本や旅ブログは大好きです。いやむしろ、現実では引きこもり気味だから好きなのかもしれない。文章や写真で、色々と妄想するの楽しいですよね。刺激的な情報もたくさん得られるし。

 

 さて、昨日今日で読み返した旅本は、小野美由紀さんの『人生に疲れたらスペイン巡礼 飲み、食べ、歩く800キロの旅』。今年の夏、京都一人旅の帰りに買った本で、旅本の中でもかなり好きな一冊です。

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 構成は、以下のようになっています。

  • 第1章 スペイン巡礼とは何か……スペイン巡礼(=カミーノ・デ・サンティアゴを歩く)について、基礎知識を分かりやすく説明している。
  • 第2章 わたしの巡礼……著者のスペイン巡礼体験記、というかエッセイ(同じか)
  • 第3章 自分らしい巡礼路を楽しむために……旅のプランニングやグルメ、現地のお祭りの紹介など。オススメの映画まで載っている。応用知識的な感じ。

 この本を買った理由は、人生に疲れているからでもスペインに興味があったからでもなく、小野美由紀さんの文章が好きだからです。だから、一番興味があったのは第2章。他の国から来ている、様々な人が話す人生哲学は、世界ってこういう風に見られるんだ、という静かな驚き、というか思考の転換に満ちていて、すとんと心の中に落ちてきます。カラー写真もすごく綺麗で、ぼんやりと眺めているだけでも楽しいです。意外とお見舞いに持っていくのに、向いてるかもしれない。

 

 第1章と第3章ももちろん読みました。注目したのは、公式サイトもまだ見てない引きこもりなのに、「何かこれなら行ける気がする……!」と思えてしまうほどの懇切丁寧っぷりです。巡礼路の歩き方や、宿について、必需品についてなど、旅をする上で誰もが気になる基本的な知識はもちろん、体験談コラムや行程のプランニングまで載っています(しかも3つのコース)。

 しかし、すごく丁寧なのに、「とにかくスペイン巡礼に行ってくれ! 行けば分かる!」という雰囲気が何となく漂っている気もします。何なんだろう。やはり、どんなに知識を詰め込んでも、事前にプランニングしても、実際に行かなければ分からないことが山ほどあるんだということでしょうね。とても楽しい本です。