ストレスによって成長する勇気-ケリー・マクゴニガル『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』感想

ストレスはとにかく悪いもので、できるだけ避けるべきだ。
 
そういう考えを持っている人は多いと思うし、私もそのうちのひとりだった。もしかしたら人よりもストレスを全力で避ける生活をしていたかもしれない。
だが、メンタルが回復してきた今、このままでは何となくしょぼくれた人生を送りそうな気がして、怖くなった。
 
というわけで、積ん読状態になっていたケリー・マクゴニガル『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』を手に取った。

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この本によると、ストレス反応としては「闘争・逃走反応」「チャレンジ反応」「絆・思いやり反応」の三つがあるらしい。
害があるとされているのは「闘争・逃走反応」で、これによって心臓に負担がかかったり、精神的にやられたりする。
しかし、「チャレンジ反応」が起きたときは運動をしているときのようなリラックスした状態になる。また「絆・思いやり反応」では、周囲の人に対して思いやりのある接し方ができるようになり、人とつながれるという。
 
ストレスには悪い面もあるが良い面もあり、むやみやたらに避けるよりもうまく受け入れた方が自分を成長させることができるのである。
 
また、ストレスを悪いもの、避けるべきことと思い込むことによる害も大きい。
生きていく上で、どうやってもストレスは避けられない。それをムリに避けようとすることが、新たなストレスを生み出してしまうのだ。例えば、暴飲暴食など体に悪いことをしてしまったり、ストレスを恐れて自分の行動を制限してしまったり。それでは、健康で意義のある人生とは縁遠くなるばかりだ。
 
実験では、生きがいのある人生を送っていると思う人ほどストレスも多かったという結果が出ている。意外なことに、幸せな人生にストレスは不可欠なのだ。逆に言うと、ストレスのない人生は薄っぺらく喜びもない。
 
 
私は、この本が大好きだし何度も読み返したい。けれど、メンタルヘルスの問題を抱えている友人たちに、一概におすすめはできないと感じている。私自身、回復する前に読んでいたら間違いなく凹んでいただろうから。
 
でも、だんだんと回復してきて、前向きに人生を考えたくなってきたら、ぜひ読んでほしい。