春の悪あがきと修羅の図書館

 ご無沙汰しております。

 

 新年どころかもう新生活の時期ではないですか。すごい、これはすごい。20代前半で一気に時の流れに加速がついている。「歳を取るごとに時間の流れが速くなる」という言葉はよく聞く。お兄さまお姉さま方はおそらくもっと早く感じておられるのだろう。ちなみにわが一族最年長の祖母は、年末の紅白歌合戦を観るたびに「ハァ~~~~ッ、つい最近正月やったような気がするのになあ。早いわあ」と嘆いている。むしろ今から正月だ。

 

 この春、私は一体何をしていたのかというと、退職と転職である。退職に手間取り、転職先も就業中に決めることができなくて、非常にモダモダウダウダバタバタと苦しくも「自分の人生は自分で決めるんじゃボケェェェェ」と、これまでの人生でなかったかもしれないくらいの気合の入った時期であった。先日、転職先が決まった。

 一応、今年の目標でもある「転職して年収アップ」はクリアできそうである。このような表現だとなんだか私が上昇志向のバリキャリウーマンであるかのような錯覚に陥るが、まったくそんなことはなく、ただ単に前職の収入が笑えるほど少なかっただけである。一週間のうち五日を労働(立ち仕事・重たい荷物をめっちゃ運ぶ・FGOヘラクレスの方がまだ滑らかにコミュニケーションが取れるぞというくらい言語能力に欠けたクレーマーの対応・さすまたによる不審者退治)に費やして手取り15万だ。

 OK,Google.これもう無理だわ。

 

 労働の内容でお分かりになったかと思うが、私の退職理由は収入の低さではなく仕事内容である。やっと退職した今となっては、月に50万くらいもらったってあんな仕事は二度とやりたくない。「図書館って物静かで落ち着きそう~~~」と安易に図書館司書という仕事を選んでしまった私のリサーチ不足は否めない。だが誰が予想できただろうか? 図書館にあれほど不審者やストーカーがやってくるなんて。相手は犯罪者だというのに出禁にできないだなんて。そしてこちらの武器がさすまたしかないだなんて。さすがに無理だろう。少なくとも私が就職したときに「図書館司書」と検索してもこんな物騒な図書館情報は出てこなかった。やはり情報漏洩が何より怖い業界であるので、みんな真面目に守っているというわけか。(だが腹が立つのでバラします。)

 

 もしも、図書館で働きたい人、図書館司書を目指している人がこの記事を目にしていたら、どうか慎重になってほしい。確かに本好きにとっては、常に本に囲まれていられるので幸せだ。本が好きだから、私も二年は我慢することができた。

 だが、図書館の最大にして最強の特徴「誰でも入れる」ということを忘れないでいてほしい。使う側にしてみれば平等に思えて好印象かもしれないが、使われる側から見ると前科がある人とか現在進行形で犯罪をしている人(ストーカーとか痴漢とか)も来ることができるってことなのだ。少なくとも、一日開館から閉館までカウンター近くで図書館員の様子を見、本当に暇で穏やかな図書館なのか確認する必要があるだろう。