読書

グロテスクと涙の間-小野美由紀『傷口から人生。メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった』感想

*感想と言いつつ、自分の話ばっかになってしまいました。すみません。たまに、何度も読み返す本と出会うことがある。この本は……もう何回読んだのかなあ。よく覚えてないくらい読み込んでいる。でも、初めて読んだ時は、何度も読み返すとは思ってなかった。…

ドラゴンになったような気分-「マンハッタンのドラゴン」(フランチェスカ・リア・ブロック『"少女神"第9号』所収)感想

元々フランチェスカ・リア・ブロックという作家は知らなくて、この本はジャケットに惹かれて買った。黄色とピンク。ハートに涙に星に十字架。安モンの化粧品に、フライドポテトと甘ったるさを混ぜた匂いを感じさせる、すごくティーンズ小説らしい感じが、好…

懇切丁寧さと「行けば分かる」感の絶妙なミックス-小野美由紀『人生に疲れたらスペイン巡礼 飲み、食べ、歩く800キロの旅』感想

こんにちは。 前回の記事(旅で学ぶのは若者だけなのか?-石井桃子『石井桃子コレクションⅣ 児童文学の旅』感想 - どこまでも歩けるはずなんだ)をきっかけに、突如として旅本(旅行エッセイだけでなく、小説やガイドブックも含む)を読み返したくなりました。…

親切よりもおざなりで-西原理恵子『生きる悪知恵 正しくないけど役立つ60のヒント』感想

こんばんは。突然ですが、落ち込んでいる時は周囲にどう接してもらいたいですか? 私は「放っておかれたい」タイプです。 基本的にネガティブ&コミュ障(自分で書いてて悲しくなってきた)なので、普段ですらしゃべるの苦手なのに、落ち込んでいる時なんて返事…

秋の夜長にパスティーシュ-高殿円『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』感想

こんばんは、おのまちです。道を歩いていると、金木犀の香りがどこからか漂ってくるようになりました。秋が深まってきましたね。秋大好きなんで浮かれております。風邪はまだ治ってないけど。そろそろ病院行った方がいいかな。 さて、私が通っている大学の図…

ノーベル文学賞ノミネート前夜と、非村上読者

こんばんは、パソコンがなぜかインターネットに繋がらず焦ったおのまちです。 ここ連日、ノーベル賞の話題で盛り上がっていますね。生理学・医学賞に物理学賞と二日続けて日本人研究者がノミネートされたということで、めでたい(のか?)。ちなみに( )内に疑…

カテゴライズからタグ付けへ-牧村朝子『百合のリアル』 感想

私は、この夏から大学のセクシャルマイノリティサークルに入りました。元々、ジェンダーにすごく興味があり、大学で勉強していたのですが、講義で先生から紹介されて、存在を知りました。 活動を通して、「私ってセクマイについてあんまり知らないな……」と思…

人に言った「ブス」とは、己の顔のことである-山田詠美『蝶々の纏足・風葬の教室』感想

こんにちは。風邪を引いてダウン気味のおのまちです。気分はそう悪くないのですが、咳が止まらないのが辛いです。あまりに運動不足なので、咳でお腹が筋肉痛になってしまうんですよね……私の筋繊維はちょっと傷つきやすすぎるんじゃなかろうか。 さて先日、東…

ストレス解消の果てに

こんにちは。突然ですが、ストレスが溜まってきたな、と思った時は何をしますか? 体を動かす、買い物をする、暴飲暴食、っていう人が多いんじゃないかな、と勝手に思ってます。 私のストレス解消法は、本屋さんに行く、ロックを聴きながら頭を振って踊る、…

朝井リョウ『何者』 感想

この本、直木賞受賞作ということもあって、だいぶ前からタイトルや内容を見聞きすることが多かったのですが、文庫本が出たのでやっと買うことが出来ました。 貧乏学生なので、単行本買うと1カ月に買える本の冊数が減ってしまうんですよね。図書館で借りよう…

綿矢りさ『ひらいて』 感想

『ひらいて』は、内面はいろいろ面倒くさいが、リア充の女子高校生・愛が、じぶんだけが魅力を知っていると思ってた地味男子・たとえに彼女がいると知り、暴走する話です。ほんとに文字通り、暴走しまくっています。 愛ちゃん、真夜中の学校に忍び込んでた…

最近買った本リスト

綿矢りさ『ひらいて』(新潮文庫) 読了牧村朝子『百合のリアル』(星海社新書) 読了佐藤優『知性とは何か』(祥伝社新書)

いまさら『嫌われる勇気』を読んだ

はい、本当にいまさらでございます。 この写真はないですけど、手元の本の帯に 「悩みが消える! 人生が変わる! 2014年年間第1位!!」 って書いてありますからね。もう2015年半分過ぎたぞ(現在2015年8月15日)。 でも、未だに書店に(しかも結構目立つ所に)…

絶望の短編集

私は短編集が好きです。長編よりも短編集の方が多く読んでいる気がする。 その理由としては、以下の3つが挙げられます。 ①途中で集中を切らさず読めるので、濃い読書ができる(人間の集中力は90分が限界だと言われています) ②紙数が限られている分、表現が選…

加門七海『猫怪々』 感想

『猫怪々』は集英社文庫から出ている本で、作者の加門さんについて何も知らなかったのですが、表紙に惹かれて買ってしまいました。前に『猫と庄造と二人のをんな』を読み、猫愛が高まっていたこともあるのでしょう。 著作権を侵害しなさそうなもので、よい写…

買った新書リスト

最近買った新書リスト。 自分で分かんなくなって家にある本を買っちゃうことがたまにあるので、備忘録として。 仲野徹『エピジェネティクス―新しい生命像をえがく』(岩波新書) 原裕美子『グチの教科書』(マイナビ新書) 北条かや『整形した女は幸せになってい…

谷崎潤一郎『猫と庄造と二人のをんな』 感想

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江國香織『号泣する準備はできていた』 感想

江國香織さんの小説にハマっています。 前までは、「ふんわりした感じが苦手だな~」と思っていたのですが、今はそんな自分を殴り飛ばしたい。 『号泣する準備はできていた』は、表題作含めて12の短編が収められています。 恋人(同性愛含む)や夫婦などなど、…