夕暮れの街

石畳が美しい港町に来た。
荷物は、小さなスーツケースひとつだ。遊歩道を夕日に照らされながら歩く。季節は初夏で、昼時はけっこう暑かったが、今は風が吹いて気持ちがいい。


私はふと自分の足元を見た。こっくりと紅いハイヒール。
こんな靴を持っていただろうか? 
少し不思議に思いつつ、可愛い上に驚くほど履き心地がいいので良しとする。私の足はなかなかやっかいで、靴選びはいつも苦労するのだ。歩くたびに石畳がコツコツ響くのが、何だか嬉しかった。


石畳はどこまでも続く。
私はどこに行こうとしているのか、よく思い出せない。けれど、歩みを止めようとは思わなかった。景色がきれいだし、たぶんこれは夢だ。いつか終わりは来るだろう。それまでは楽しんでいたい。


私はフェンスから身を乗り出した。見たこともない大きな夕日と、オレンジ色に染まった海。風で少しだけ波が立っている。たぷんたぷんと揺れる水。あの中に飛び込んで、ゆらゆらと心地よく浮かんでみたいと思う。
だけど私は、歩き続けないといけないのだ。
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今日、昼寝した時に見た夢です。

今日は大学の卒業式でした。昼寝でこんなに鮮明な夢を見ることは滅多にないのだけど、何か意味がありそうな気がしたので、ブログに書きました。