非定型うつ 治療記1

 私は今、「非定型うつ」と診断されており、投薬による治療を受けています。

 

 ちなみに非定型うつについては

www.dr-maedaclinic.jp

 をご参照ください。

 従来のうつ病は「何をしていても楽しくない」「常に憂鬱な気分」「不眠」等々の症状が現れるのですが、非定型うつ(新型うつ病)はちょっと違います。自分の好きなことをしている時(友達とのおしゃべり、プチ旅行、ショッピング、趣味に打ち込む等)は気分が明るくなるのですが、人間関係がうまくいかない時や、憂鬱な仕事、人から批判された等ネガティブな出来事に遭遇した時は激しく気分が落ち込み、体に重りをつけられているような苦しさを感じます。涙も溢れてきます。

 

 自分の好きなことをしている時は明るく振舞える、ということから、「非定型うつは単なる甘えなのではないか?」という批判を多くネット上で目にしてきました。そうなのかもしれない、と自分で思ったこともありました。そして気分が落ち込みベッドに沈みこみ、「この世からフッと消え去りたいな……」と思うことすらありました。

 ですが、今は「非定型うつは甘えではない」と確信することができます。

 なぜなら、投薬治療で、少しずつだけれど、確実に良くなってきていると感じるからです。仕事を辞めてすぐは「私に生きる価値などないのでは」と自分を責める気持ちがかなり強かったし、精神的に不安定な状態なのに求人に片っ端から応募していました。ですが、投薬にカウンセリングや占いサロン、友人や家族に話を聴いてもらうこと、そして休養を取ることによって、少しずつ精神的に安定してきました。

 「甘え」というのはその人の生きる上でのスタンスであって、薬でどうにかできるものではないと思うのです。ある意味、非定型うつより厄介かもしれませんね。対症療法がないのですから。

 

 薬以外の治療法として、朝に30分ウォーキングと、読書(フィクションのもの)を30分しています。

 朝の光を浴びると、脳内物質セロトニン(幸福を感じる物質)が増えることは、結構有名なのでご存知の方も多いでしょう。家に鬱々と引きこもるのが一番体によくないので、ちんたらと特に目的もなく歩いています。鬱に脳内を支配されていた頃には気づかなかった、季節の花や眩しい緑を見ることができて、とても幸せな気分になります。

 読書、それもフィクションのものを読めるようになったのは、かなりの進歩だと思います。鬱がひどい時って、文章が読めなくなるのですよね。

 仕事を辞める直前の、一番鬱がひどかった時期は、名言集が限界でした。一ページに一行くらいしかないやつ。少し回復すると、今度は興味のあるジャンルの新書が読めるようになりました。そして次は自己啓発。あまりにも病んでいる時って、自己啓発本を読んでも「私にはムリ……」と余計に気分が落ち込んでしまうので、要注意です。

  最後にフィクション。フィクションを読めるようになったということは、頭の中で想像力を働かせることができるようになった証拠だと考えています。ガチ病みの時にそんな余裕はありません。

 

 鬱で苦しんでおられる方が、もしこの記事を読んでくださったなら、散歩と読書は非常におすすめです。常時つながっているネット環境から離れることができ、きっと自分の思いに気づいたり、想像力の翼を羽ばたかせることができるでしょう。