どこまでも歩けるはずなんだ

読書と仕事と妄想と。ゆるゆるやっていきたいです

怒れる労働ガール

常々、疑問に思っていることがある。

 

なぜ、人は、特に女の人は、クソ野郎に対して怒りの感情を露わにしないのだろう?

 

 

私の職場は、とんでもなく治安が悪い。酔っ払いは乱入するわ職員と揉めて体当たりする奴はいるわ現実にはない妄想クレームを延々言うババアがいるわ、なんかこう、ここは紛争地域なのかい? って感じなのだ。そろそろ接客業には銃の使用を認めてほしい。

 

紛争地域なので、年に一回か二回は刑事事件が起こる。見目麗しい職員にストーカーをする奴もおる。男性が少ないため、治安部隊には私のようにゴリラみたいな体型の女(急いでる成人男性に体当たりされても全く動かずむしろそのおっさんが飛んだくらいの強度はある)も動員される。ストーカーがやってくると、美しい職員は即避難、治安部隊のゴリラが前線に立つこととなる。

 

ゴリラを目にして怯みつつも、「〇〇さんいますか?」としつこく食い下がるストーカー野郎。「いません」「お通しできません」「用がないならお帰りください」でとにかくブロック。で、思いっきり睨みつける。必要とあればさりげなく進路を塞ぐ。

不審者にはこれくらいの対応が必要だろうと思っていたのだが、ある日先輩に言われた。「よくあいつとしゃべれるね〜! あたし気持ち悪くて絶対ムリ! キレてきたら怖いじゃない」

ふむ、確かに一理ある。逆ギレは怖いものだ。紛争地域だからな。

しかし、殺意を込めてコミュニケーションをしなければ、「お前は迷惑行為をしているぞ」と伝わないではないか。無視するのって、黙認してるのと同じじゃないのか。みんな避けていたって、どのみちクソ野郎はやってくるのだ。だったら「絶対殺す」くらいの気概があってもいいじゃないか。

と、ずっと思っていたのだけど、私みたいな考え方はすげえ少数派なのだ。なんでだ。もっと怒ったっていいじゃん立派な犯罪行為なんだから。

 

モヤモヤしていたのだけど、こんな記事を見つけた。

職場という空間に「女の涙」が断じて許されない理由:日経ウーマンオンライン【河崎環の それでも女は生きてゆく】

男性は泣くことを、女性は怒ることを生育期間の中で抑圧されてきたという。なるほど、確かに泣く男の子と怒る女の子は大人から注意されやすいし、他のことに関しても「男は強く」「女はお淑やかに」と育てようとする蠢きが、今でも残っている気がする。

だから、女の人はストーカークソ野郎を怒らないんだ、と思った。「怒らない」のではなく「怒れない」なのだ。怒るのに慣れていないから。気持ち悪すぎて、怒ったらどうなるか分からないから。

生まれつきの性格はいろいろあるだろうけれど、後天的に植え付けられた価値観はたとえ言語化できなかったとしても、心に深く刺さっているものだ。

 

でも、その抑圧を静かに、自ら外していくことはできるんじゃないかなと思うのだ。悲しいと思ったのになぜ涙を我慢しようとしたのか。すごく腹が立ったのになぜその怒りを表現できなかったのか。感情そのものと感情の発露について、丁寧に考える人でありたいと思った。

苦手なことからは逃げてもいいんですね、って今日気づいた

寒くなってきましたね。いかがお過ごしですか。風邪とか引いてないですか。

 

さて、私は今、うつ・社交不安・過敏性腸症候群の治療を受けています。

前から「軽度うつ」という診断で軽めの抗うつ剤を処方されていたのですけれど、夏から秋への変わり目あたりでしょうか、「まっすぐ立っていられないほどの強烈な憂鬱感と重さ」「寝つきが異様に悪い、また完全就寝ができず起きてるのか寝てるのかよく分からないまま朝を迎える」等の症状が出てまして。

主治医に訴えたら「うーん季節の変わり目だからねぇ」と普段の同じ薬を出されそして特に改善もしなかったので、病院変えました。

セカンドオピニオンまじ大事。

で、今日は病院変えてから3回目の通院だったのですが、うつ症状はかなり治ってました! ばんざーい!! ただ、睡眠薬の効きすぎで頭がちょっとフラフラしてますが。睡眠薬も軽めのものに変えてもらいました。

 

今までは症状と薬を飲んだ後の感じだけを話していたのですが、今日は初めて、自分が今接客業をしていること、裏方の仕事は好きなのに接客だけが異様に苦痛であること、転職を考えていることを話しました。

 

先生は、

「あのね、社交不安のある人はラインとかが向いてるよ。人に接しないの、ひたすらモノに接するの。

社交不安って、元々生まれ持った性格だから、薬で改善することはできても完全に抑えることはできないのね。

だからそれに合わせた仕事をしたらええ。あなたと同じように、社交不安からのうつ発症した人も、ライン作業してたら治ったって人多いからね。

あとな、社交不安のある人ほどなぜか最初に接客業やら営業やら、人としゃべる仕事選ぶ人多いねん。社交不安はダメなことだからって思ってムリに治そうとするんやな。別にあかんことちゃうのに」

とおっしゃいました。

 

私は、接客や人と話すことが苦手だという自覚は元からありました。そしてそれが嫌だと思っていました。

私が実生活で出会って憧れる人は、みんな、社交的で、華やかで、会話にユーモアがあって、きらきら輝いていたから。それに世間からも、社交的な人が求められている気がずっとしていたから。

それに、本は大好きだから、その気持ちさえあれば苦手な接客だってがんばれるはずって、自分に言い聞かせていました。

 

でも、その結果がこれ。

表面的な笑顔はうまくなったけど、接客してる時はいつも苦しくて押しつぶされそうで、仕事の前の日はお腹が痛くて動けない、病んだ私。

 

これからは、社交不安のある私を、憎まないようにしようと思いました。

賑やかな場所で輝けなくても、自分の内面を充実させ、穏やかな日々を暮らしていきたい。今は心からそう思います。

 

さーーーて!!!

転職やるぞーーーー!!!

号泣お仕事戦記『督促OL 修行日記』【感想】

絶対ムリな仕事その②(生活に密接に関わり失敗した時の重症度が高い)仕事に就いている人のエッセイを読んだ。

(絶対ムリな仕事については、前回記事をご覧ください。人の人生に密接に関わりたくないんじゃーーー!!!! →

 http://onomachi009.hatenablog.com/entry/2017/09/25/151731)

 

 

榎本まみ『督促OL 修行日記』。

気弱な著者が、信販会社のコールセンター(クレジットカードの支払いが遅れてる人に「入金お願いします」と電話する部署)に配属され、ストレスで全身ボロボロになりながら、病んで仕事を続けられなくなった同僚や部下を見送りながら、ストレスとの戦い方を身につけていく。

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支払いが遅れてる電話と言ったって、自分が使った分の金も払えない(払わない)人が大人しく「アッごめんなさ〜い忘れてた! いれますぅ」なんてなるわけない。電話をするたびに「払うってんだろうがこの馬鹿!!」と怒鳴られ、それでもどうにか債権を回収するために宥めながらがんばるなんて……あの、これ確実に殺しにかかってませんかね。

 

私は去年、事務所でも怒号が飛び交い(上司から一方的に怒鳴られてるわけではなく、上から怒鳴られ下からも怒鳴りながら反撃という感じだった。戦争かよめっちゃうるせえ)、利用者からも理不尽に怒られまくるという環境にいて、ストレスで突発性の難聴になった。

だから、ちょっとだけ分かるところもあるのだけど……でも、世界一自分を不幸だと思った去年の自分が恥ずかしいと思うほどの過酷な環境だ。(ちなみに難聴は完治した。)

 

いつも怒鳴り声が聞こえる、年に一、二回ほど起こる刑事事件や職員を狙うストーカーとも戦う、この環境の中で私は、利用者を「敵」だと見なすようになってしまった。やってくる人間が全員憎かった。今では歪んでるなあと分かるのだが、当時は何かあった時のために、といつもカッターを二本持ち歩いていた。

 

一方、著者の榎本さんは、「なぜ怒鳴られると固まってしまうのか」「クレームに繋がりにくい方法が何かないのか」と、理不尽な中でも学ぶことを忘れない。榎本さんが見つけたクレーマーとの戦い方は、全ての感情労働に就く人全てに知ってほしい。

 

それとともに、思考停止せず、クレーマーを殺そうとするわけでもなく、「何とかして攻撃を躱す」方法を考え続けた榎本さんを尊敬する。

私自身は、悪質なクレーマーには罰が与えられるべきだと思うし、感情労働にはメンタルケア手当かなんかを付けてほしいけど、それはそれとして、「過酷な環境でも諦めず学び続ける」という姿勢は本当に見習いたい。

最強に痛快お仕事小説『Bの戦場』【感想】

世の中、星の数ほどの仕事はあれど、「ぜっっったいにできない」仕事が3種類ある。

①他人の命を預かる仕事…医療関係全般、警察官や消防士、学校や保育園、幼稚園の先生など。自分の判断ミスが他人の命を奪いかねない仕事

②他人の人生と強く関わる仕事…お金や住宅がこれに当たる。生きていくために必ず関わらなくてはならず、失敗した時の重症度が高い仕事

③華やかな仕事…なんか、キラキラした感じの仕事(突然曖昧になる)。イメージとしては、ホテル業界とかファッション業界とか? 職種によってはできるかもしれない

 

自分にできないことができる人を賛美せずにいられないので、この三つのどれかに就いている人と知り合いになってしまうと「ひぇえええすごいっすね?! 神?!!」と語彙力がアレなことになってしまう。不審者で申し訳ない。私には「医者や弁護士と結婚して玉の輿〜👰」とかいう芸当はできそうにない。

 

さて、この中で③に当てはまる(②の要素もあるかな?)、ブライダルプランナーの小説を読んだ。その名も『Bの戦場』。うん? 君も戦っているのかい? 何だか突然親近感が湧いてきた(当方図書館勤務なのだが、日々不審者と戦っていますマジで)

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主人公・香澄は下積み1年プランナー歴6年のブライダルプランナー。丁寧・誠実・親切な仕事ぶりでお客様や社内からの信頼も厚く、新人指導も熱心にする、仕事のできる女である。

これだけなら、私みたいな仕事のできない人間は臆してしまうのだが、香澄にはもうひとつの側面がある。

それはーーー「絶世のブス」だということ。

物心ついた時からブスで、清潔感のある身だしなみ、メイクもちゃんとしてる、太っているわけでもない、努力しているのにブスなのだ。(但し整形はしていない)

「ブス」って、ものすごくハンデだ。競走に例えるならば、美人はスタート地点がちょっと前の方、普通の人は普通のスタート、ブスは後方どころか体が半分くらい地面に埋まってるような感じである。

それに加えて、世の中女性への見た目の評価が多すぎる。よう世間、お前らは何回私たちを批評すれば気が済むんだね? 

無傷のブスなんていない。

にこにこ笑っていても、本当はこれ以上傷つけられないように、笑顔を鎧って、痛みに耐えている。

 

小さい頃見た、結婚式でお姫様みたいに笑ってた従姉妹のお姉ちゃん。でも自分はブスで、きっとお姫様になれないから、最高の結婚式になる魔法をかける人になろうと思い、選んだブライダルプランナーという仕事。

わたしはブスだ。

でも今は、こう思える時がある。

わたしのブスが、誰かを勇気づけることがある。それって結構すごいことだとーーーそう、誇らしく思える瞬間が。

わたし自身は綺麗になれなくても……人に自信を持たせることが、わたしの自信になる。

ブライダルプランナーはプレッシャーが重く、帰宅も遅くなりがちで、体力的にも精神的にもキツイ仕事だ。それでも香澄が、ブスであることに滅多打ちにされながらも、最高の式を作り上げることができるのは、誇れる瞬間があるからなのだ、と胸が熱くなった。あとブスを仕事の強みにしてるとこすごく好き。

 

まだ読んだことのない人はぜひ読んでほしい。結婚するかもしれない方はもちろん、予定もないしそもそも相手がいないのに香澄さんにプランニングを頼みたくなること必至だ。

 

 

 

あ、仕事への姿勢に感動しすぎて忘れてたけど、恋愛要素もあります! コミカルでめちゃくちゃ面白い。超弩級のB専・久世課長(こっちは絶世の美男)に言い寄られ「うるせえ変態!」と逃げ回りつつ仕事に邁進する香澄。この恋(?)は進展するのか…? 次巻を早く読まねば!

君の仕事を知りたい

君の膵臓を食べたい(未読)みたいだが、常日頃いつも思っている。人の仕事を知りたい、と。

 

別に今の仕事が嫌でしょーがなくて今すぐ転職したいからなるべくいろんな仕事を知りたいとかそういうことではなく、ただただ単純に、見知らぬ人の朝は何時に始まるのか、どんな気持ちで職場に向かうのか、朝一番にどんなことをするのか、仕事中はどういう様子なのか、とか、そういうことに異様に興味がある。私の天職はお仕事ウォッチャーなのではないかと自分でも思うくらい興味がある。

というわけで、仕事の自慢をしたい方も愚痴を言いたい方も、いつでも私を呼んでほしい。あなたの話を聞きに行きましょう。電話でもメールでもいいよ。

 

こんなやつなので、お仕事小説お仕事マンガは大好物だ。創作でなくとも、エッセイでももちろん構わない。ねえねえねえねえ、どんな仕事? どんなことするの? どんな気持ちで仕事してるの? なんでなんでちゃんの本領発揮とばかりに(幼少期の口癖は「なんで?」だったのだ)、興味津々で時間を忘れて読み進めてしまう。

お仕事小説お仕事マンガ(別に紙媒体に限らずアニメでも映画でもいい)のおすすめ情報は随時募集中である。本好きのみんなー、ぜひ教えてね!

 

最近読書投稿もしていないことだし、転職を考えていることで仕事興味津々度がさらに増してきてるし、お仕事小説お仕事マンガ投稿をしていこうと思っている。という所信表明でした。なげえ。